40代の神奈川県の女性から入った悲痛とも思える問い合わせはこうだ。「別居している母親(70代)が飼っていた小型犬が亡くなり、寂しがっている。置物を作ってくれるところはなかったのですが、ほんとに作ってもらえるのですか?」
キーホルダーから置物までさまざまなものを樹脂で制作する「レジンアート」。同社の宣伝文句には「あきらめていませんか?大手商社では最小ロット1万個からしか、つくれない!?わが社では1個でも制作いたします」と明記。これに母親思いの女性がピンときて電話したのがきっかけとなった。
その後も問い合わせが相次いだ。「十数年間かわいがってきた小型犬が亡くなった。玄関に置いておきたいのだが」という50代の神戸の女性らから続々と。「結婚したのだが、愛犬は親元にあずけてきた。寂しいので制作してほしい」(埼玉県の30代女性)という、少しかわった依頼も。
必要な写真は「明瞭な正面からの写真と横から写真の2枚」。前後左右の計4枚があれば、さらによい。国内では制作期間が長くなるなどのためベトナムの制作工場で行っている。写真を見ながら特殊粘土でペットの原型を作るのだが、目や毛並みを表現するのが難しく、「手先が器用なベトナム人の技術は最高」(同社)という。
原型を樹脂でカバーして外型を作り、取った外型に樹脂を流し込んで成形。これに彩色を施して完成する。注文してから届くまでは「約2・5カ月」とか。
依頼した人には「100%写真と同じ作品はできませんが、よく似た作品をお作りします」と説明するそうだが、「120%似ているといってくれる人もおられます」という。
受け取った人から返ってくる言葉は「よかった」はもちろん、「写真が立体になって、自分の愛犬がそこにいるような感覚」「1人のときは話しかけている」などさまざま。゛ペットレス″からくる寂しさを抑え、癒やされることは間違いなさそうだ。
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