ベテランと若手が融合した最強ポリス軍団に、死角はなかった。日の丸経験者2人のロケットスタートから、若手、スーパールーキーへと盤石のタスキ渡し。大阪府警・陸上部が前人未到の8連覇を達成。1区・大坪、2区・森川の日本代表経験者コンビが序盤から後続を引き離すと、4区の新人・白波瀬(しらはせ)も快走デビューだ。  「先輩たちが積み重ねてきた7連覇があって、8連覇は特別な感じ。伝統を感じます」と白波瀬。9分28秒で区間賞を獲得。『日本最強の警察官』の中でも見劣りしない、堂々たる走りを披露した。警察学校での研修があったため、陸上部への正式入部は昨年の10月だが、すでにチームに欠かせない存在だ。  まさにスーパールーキー。京都・洛南高3年時には全国高校駅伝で2区を担当。チームの4位入賞に貢献した。駅伝の名門・順大に進学すると、素質がさらに開花。4年で関東インカレの3000b障害を制覇し、日本選手権でも同種目で4位に輝いた。  普段はチームメートと同じく大阪府警第一機動隊に所属。新米警官として府警内での職務や訓練に励むかたわら、朝練などで技術を磨いてきた。  「若手が、ベテランのいい刺激になっている」とは主将の片岡繁貴さん(31)。新入部員の加入は約4年ぶり。互いに刺激し合い、チーム内に活気が生まれている。チームの1時間8分13秒のタイムは、昨年の1時間7分38秒を下回るが、1区から5区で区間賞を独占した。  「強い選手がいることが成長の秘けつですから」と妹尾誠監督(45)。ポリス軍団の牙城は当分、崩れそうにない。  (恵濃 大輔)